歯肉退縮・歯肉移植の話

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こんにちは。

院長の高田です。今回は歯肉退縮と歯肉移植の話をしたいと思います。

歯肉移植というと、なんか外科処置しなくちゃいけないから怖そうとか痛そうとかデメリットの方を思う方の方が多いと思いますが、歯肉移植することによって多くのメリットがあるということを知って頂きたいのでお話しします。

今回の患者様は、40代の女性。

年々歯茎が退縮してきているとの事で、痛みはないが今後どうなってしまうのかとお悩みでした。

Chambroneらの文献によると頬側の歯肉退縮に根面被覆術を行わなかった長期症例から、退縮がさらに進行する可能性が高い事が示唆された。

また十分な角化歯肉があれば歯肉退縮の進行と退縮の出現を減らせる事が示唆されたとあります。

メインテナンスで追っていると、歯肉退縮が起きている箇所は、退縮が起きてない歯と比べ、露出した根面が虫歯なる可能性が高い事がわかります。

Imazatoらの文献でも2006年60-78歳の高齢者287人を対象とした疫学調査では、根面カリエスの発生率は53.3%だったとあります。

約半数が根面カリエスになっているなんて非常に高い確率ですよね。

それは露出した根面は象牙質で、歯の外層のエナメル質と違い酸に弱いからです。

退縮の原因としては過度なブラッシングや加齢などあり、ブラッシングは改善すれば防ぐことはできるかもしれませんが、加齢は生きていれば皆に起こることなので避けようがありません。

なので根面カリエスになる前に歯肉移植を行い、歯肉の厚さ(バイオタイプ)を増すことにより根面カリエスから予防する事ができるのが最大のメリットではないかと考えています。

他にも歯肉移植をする事で審美性の改善や、知覚過敏の改善などもありますが・・・

今回の患者様もそのようなお話と、患者様に似た症例を見て頂き、歯肉移植を行うことになりました。

左の黄色い点線が術前、右の黄色い点線が術後です。

現在も良好に経過しています。

当院ではマイクロスコープを用いて、特別な手術ではなく一般的な治療と同じように歯肉移植のオペを行なっています。

マイクロスコープを使用し、繊細に手術を行うので、術後の疼痛を訴えた方はいらっしゃいませんのでご安心ください。

お困りの方はお気軽にご連絡ください。

高田歯科クリニック 院長 高田勇生